ポール・アン・ベッサンの朝霧
Brume Matinale, Port-en-Bessin
ガブリエル・デシャン
Gabrielle Marie Deschamps
同じポール・アン・ベッサンの港が、今度は厚い朝霧に包まれて夢のように現れる。船のマストだけが白い靄を貫いて垂直に立ち上がり、桟橋の人影はほとんどシルエットと化している。夕焼けの作品とは対照的に、色彩は白、淡い青、温かいクリーム色に限定され、形態は霧の中に溶けていく。師メルシエの大気表現を受け継ぎながらも、デシャン独自の静謐で詩的な世界がここに完成している。